CPプラス 2015のレポート

はじめに

2015に行ってきました。個人的にはCPプラス、デビューです。キャノンやニコンのブースを筆頭に大小様々な写真映像用品メーカーが出展していて、見所満載でした。話題のプロダクトを中心にレポートしたいと思います。

 

(シーピープラス)2015

カメラと写真・映像が主役の展示会、CP+(シーピープラス)。

2005年から2009年まで開催されていた「フォトイメージングエキスポ」の後継イベントとして、2010年から毎年一回のペースで開催されてきました。「CP」はCamera & Photo Imagingの略で、写真映像産業と文化の発展を願って、それに「プラス」が添えられています。

今年のテーマは「FOCUS! フレームの向こうにある感動」でした。

 

パシフィコ横浜

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会場は「パシフィコ横浜」。みなとみらい駅から徒歩5分足らずの場所にあるのでアクセスはとても簡単です。各社展示ブースのあるメイン会場はパシフィコ横浜の「展示ホール」で、床面積はおよそ2万平方メートル。2002年のFIFA W杯でも使用されたスペースで、CPプラスのような国際的なイベントにはうってつけの場所だと思いました。

 

キヤノン EOS 5Ds、EOS 5Ds R

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今年もっとも注目を浴びたプロダクトはキャノンの超高画素機「EOS 5Ds」および「EOS 5Ds R」で間違いないでしょう。有効5060万画素のCMOSセンサを有するEOS 5Dsの登場は、キャノンユーザーでなくとも色めき立つ、下半期最大のビッグニュースです。

これまでの高画素機の代表格はニコンのD810で、その画素数が3635万画素ですから、5060万画素という数字だけを見ればEOS 5Dsがかなり突き抜けた存在であることがわかります。

 

ちなみに、ローパスフィルターの効果をキャンセルする工夫が施されたモデルが「EOS 5Ds R」のほうで、一般的には、解像力(Resolution)が高くなる反面、周期性のある模様を撮影すると実際には存在しない模様(モアレ)や色(偽色)が発生しやすくなると考えられます。

自然風景メインで撮影する人にはEOS 5Ds R、衣服や建造物などの人工物を含め、いろいろなものを撮影する人にはEOS 5Dsが向いているのかなと思います。

 

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タッチアンドトライのコーナーには終日行列ができていました。今年6月から販売する予定の製品にもかかわらず10台くらい準備していたことには感心しました。そのため回転は速く、待ち時間はおよそ15分程度だったと思います。

 

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5Dsの外観。ボディサイズはEOS 5D Mark lllと同じで、重量は20グラフ軽くなっています。また、若干白めで金属調の塗装が施されています。

 

キャノン独自開発・独自生産の有効5060万画素CMOSセンサ

ニコンのフルサイズCMOSセンサがソニー製であることは有名なので、キャノンの高画素機でもソニーのセンサが使われたのではないかと一部で噂されましたが、正真正銘、キャノンの自社開発・自社生産のCMOSセンサです。

5060万画素もありますから、ひとつひとつの画素の面積は小さくて、ISO感度域は100-6400と若干狭め(怒られそう)。写真一枚のRAWデータのサイズは60.5 MBと破格の大きさですが、必要に応じてRAW M(44.0 MB)、RAW S(29.8 MB)を選択して使うことができます。

 

5コマ/秒の連写速度と新しい画像処理回路

驚きだったのは連写速度で、超高画素機でありながら5コマ/秒を達成したこと。高画質と高レスポンスを両立するため、CMOSセンサからの信号の読み出しは16チャンネルもあり、4基のA/D変換器と2基の映像エンジン(Dual DIGIC 6)を搭載するという贅沢な仕様。

10コマ/秒の連写速度が売りのEOS 7D Mark llもDual DIGIC 6を搭載していますが、A/D変換器は2基だけでした。またフラッグシップ機のEOS-1Dxは4基のA/D変換器を持ちますが、映像エンジンは一世代前のDual DIGIC 5+でした。EOS 5Dsには持てる技術のすべてを詰め込んだ感じがあります。

 

ミラーショックを抑え込む

高画素機の宿命は、カメラ内部の振動やわずかなピンボケが写真に写り込んでしまうこと。

EOS 5Dsでは、ミラー昇降の制御方式を、従来のバネ駆動方式からモーターとカム駆動による新しい制御方式に変更しています。ミラーの速度制御ができるので、上りきる(下りきる)直前に速度を落として軟着陸させることが可能になりました。ニコンのD810でもすでに同じような仕組みが採用されていますが、いまのところ優劣は不明です。

 

「使いこなすのは難しいが、成功すればこれまでにない画質の画像が得られる」

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キャノンのステージには、何人かのプロカメラマンが登壇し、EOS 5Dsの感想を伝えていました。みなさんを意見をひとことでまとめると、

「このカメラを使いこなすのは極めて難しい。とにかく手ブレに細心の注意が必要で、手持ちの撮影は論外。かならず三脚、レリーズ、ミラーアップの三点セットが必要である。したがって被写体と場所を選ぶ。しかしもしそれらを十分に満足することができれば、これまでにない画質の画像が得られる」

ということでした。

デジタルカメラの高画素化で、「シャッター速度をレンズの焦点距離分の1秒以下にすれば手ブレしない」という常識はもはや通用しなくなりつつあります。

「腕試しに買ってみたらいかがですか?」という石橋睦美さんの言葉がいまも頭に残っています。。

 

キヤノン EF11-24 f/4L USM

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キャノンの新しいレンズで注目なのが、広角ズームのEF11-24 mm(F4固定)。

ニコンに比べるとキャノンは広角側が苦手な印象がありましたが(怒られそう)、このレンズの登場で状況が一変するかもしれません。11 mmの超ワイドでありながら、画像の端部に至るまで歪曲収差が抑えられているのが最大の特徴です。

 

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この前玉!魚眼レンズを除けば、11 mmの画角は世界最広角です。ニコンの広角ズーム同様、保護フィルターは取り付けられません。

 

キヤノン デジカメ新たに13機種

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2月19日から、デジタルカメラの新製品13機種を順次、国内外で発売開始するキャノン。縮小するデジカメ市場にどのような刺激を与えてくれるのか、とても楽しみです。

 

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イケメン「最新鋭のテクノロジーが生み出す、美しき映像表現を、その手に」(たしかこんな感じ。。)

 

ニコン AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR

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一方でニコンの目玉は、300 mm F4の単焦点レンズ。

 

AF-S NIKKOR 24-70 mm F2.8よりも軽い

位相フレネルレンズ(PFレンズ)なるものをうまく使うことで、従来品に比べて大幅な小型化・軽量化を達成(全長で75 mmのサイズダウン、約545 gの軽量化)。300 mmの望遠にも関わらず重量は755 gで、全長はたったの15 cm足らず。AF-S NIKKOR 24〜70 mm F2.8よりも軽いのだから驚きです。

 

また、レンズ最前面に施されたフッ素コートの効果でホコリや汚れがつきにくく、拭き取りやすい仕様に。フッ素コートの採用は、ニコンでは400 mm F2.8、TELECONVERTER TC-14E lll に次いで3本目です。

 

ニコン最高クラス・約4.5段分のVR機構

手ブレ補正効果はニコン最高クラスの約4.5段分。さらに動きが激しい被写体や流し撮りに有効な「SPORTモード」も新たに搭載。手ブレ補正機能は望遠レンズには不可欠な要素ですが、ここでも手抜きは一切なし。

手に取った瞬間に欲しくなったレンズは初めてでした。

 

発売開始から注文が相次いで現在はバックオーダーを処理するのに手一杯とのこと。そのため会場で触らせてもらえる個体はなんとたったの1本だけ。「EOS 5Ds」よりも待ち時間が長かったです。。笑

 

2015年4月28日 追記(ご参考)

ニコン製品情報「ニッコールレンズ「AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR」のお届け予定につきまして

 

ニコン D810A

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D810の光学フィルター(赤外線カット)の透過特性を天体観測用に調整したD810A(Astronomy)。赤外域近くの可視光の透過率を従来より高めたことで、Ha線の波長(656.28 nm)で光る星雲を鮮やかに映し取ることができるそうです。

D810Aはショーケースの中に収容されていて、触ることはできませんでした。もし触ることができたとしても、D810と同じだと思いますが。

 

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2015年はキャノンが攻勢を強める一年になりそうですが、ニコンがどんな隠し球を放り込んでくるのか、楽しみにしています。

 

ツァイス Otus 1.4/85

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いつかは欲しいカールツァイスの「Otus」シリーズ第2段。ZEISS自称「世界最高の中望遠レンズ」。

ホームページで公開されているMTF曲線を見る限り、極めて高コントラストかつ高い解像性能を有するレンズであることは確かそう。オートフォーカスができなくて、でかくて重くて値段がずば抜けて高いレンズですが、得られる画質は素晴らしいはず。

これでOtusシリーズは55 mmと85 mmがでました。「次は広角ですか?」の問いかけに、「期待していてください」とのことでした。

 

PENTAX フルサイズ、名称未定

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PENTAX待望のフルサイズ機のモックアップ。

ショーケースの中に収められていたので手に取ることはできませんでしたが、みたところ、つくりはかなりコンパクト。モックアップに装着されているレンズは標準レンズの「FA31mmF1.8AL Limited」で、Kマウントの交換レンズでは人気の銘玉。ボディの大きさの比較にはもってこいですね。

2015年中の発売を目指して開発中とのことで、来年のCPプラスで試写できることを楽しみにしています。

 

コンパニオンのみなさんのおかげで、会場はいっそう華やかに

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美しく着飾ったコンパニオンのみなさんは、華やかな展示会には欠かすことのできない存在です。商品のカメラを手に持ち、きちんと宣伝している様子が健気でした。

 

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ニコンの展示会場では、最新のボディとレンズを使用してモデルさんを試し撮りできるコーナーがありました。持参したSDカードをボディに挿入すればデータを持ち帰ることができます。モデルさんのほか、男性のパフォーマーも登場したりしてなかなか面白い企画でした。

 

大盛り上がりのクライマックス

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キャノンのステージの大トリは航空写真家のルーク・オザワさん。

この圧倒的な集客力!用意されたスペースのみならず通路まで埋め尽くし、となりのニコンの展示スペースにまで人が広がる異常事態。遊び心のある美しい写真と軽快なトークにたくさんの人が魅了されていたようです。定刻を過ぎても終わりの見えないステージに司会者は頭を抱えていましたが。。笑

 

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一方で、ニコンのステージのクライマックスには、モデルやアシスタントのみなさんと、日中ステージで講演した写真家のみなさんが一挙勢ぞろいに。そのそうそうたる顔ぶれに無数のフラッシュが焚かれていました。鉄道写真家の中井精也さんは閉場まぎわまで会場に残られて、気さくにサインに応じられていた姿が印象的でした。

 

おわりに

会期中あちこちで様々なイベントが同時進行的に発生するので、体ひとつではまったく不十分で、ふたつみっつあったら良いのにと思うことが何度もありました。

カメラの初歩的な使い方の勉強会からプロ向けのセミナーまで揃えた充実の内容で、このような展覧会に無料(事前登録が必要)で参加できてしまうことは、ある意味奇跡だと思います。

2015年のCPプラスの入場者数は過去最多の67617名に達し、盛況そのものでした。

 

しかし一方で、ここ数年のデジタルカメラを取り巻く市場環境には厳しさが目立ちます。カメラ映像機器工業会(CIPA)が集計・公表しているデータによれば、デジタルカメラの出荷台数(年間の累計値)は2007年から2011年にかけて1億台を超えていたものの、2012年以降は減少の一途を辿り、2014年の出荷台数はピーク時の6割減に相当する約4300万台にまで縮小したとのこと。

特に深刻なのがレンズ一体型のコンパクトデジカメで、2014年の出荷台数はピーク時の7割減。頼みの綱のレンズ交換型機も、2013年に出荷台数・金額ともに減少に転じています。

 

これまでの延長線でやっていく限り、おそらくデジカメ市場の縮小は続いてしまうでしょう。

メーカーにとっては舵取りの難しい時代に突入してしまいましたが、魅力的なプロダクトの開発以外の根本的な解決策があるはずもなく、苦しい時代だからこそ、いっそう踏み込んでがんばって欲しいですね。

 

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来年のCPプラスでどんな製品が登場するのか楽しみにしています(了)

 

ご覧いただきありがとうございました!
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